
産後、赤ちゃんのお世話や洗濯などで水仕事が増えて手荒れや手湿疹ができてしまった、という話をよく聞きます。また、育児だけではなく、食器洗い、水仕事や洗濯、冬の乾燥などで手が荒れてしまうこともよくあります。ここでは手湿疹・手荒れについての情報と、乾燥が原因で手荒れ・手湿疹になった場合に、お家でできる簡単な治し方を紹介したいと思います。
手湿疹・手荒れ・主婦湿疹とは
手湿疹は、外からの物理的刺激や、アレルギー物質の接触によって生じる湿疹や炎症のことをいいます。症状が軽い「手荒れ」がさらに進行した状態が手湿疹の状態と考えられており、皮膚の見た目だけでなく、かゆみや痛みなどで悩む人も少なくありません。
化学物質を含む洗剤や水に触れる機会が多い美容師や調理師、また炊事や洗濯などの水仕事が多い主婦の方などに多い疾患のため「主婦湿疹」と呼ばれることもあります。アレルギー体質やアトピー性皮膚炎、乾燥肌の方は、皮膚のバリア機能が弱っているために手湿疹になりやすいと言われています。
最近では、新型コロナ感染症などの感染予防のため、頻繁に手を洗ったりアルコールなどによる手指消毒をするため、手荒れや手湿疹に悩む人が増加しているそうです。
手湿疹・手荒れ・主婦湿疹の原因
手湿疹の原因として、
- 手が乾燥している
- 手洗いをしすぎている
- 科学的刺激(洗剤、石鹸、シャンプーなど)
- 物理的刺激(家事仕事などによる摩擦)
- ストレスが溜まっている
- アレルギー
といったことが考えられます。
乾燥が要因の手湿疹・手荒れの対策
手湿疹には、アレルギー反応で起こる皮膚炎などもあるため、悪化した場合は皮膚科などで診てもらうことが大切ですが、症状が出始めたばかりの手湿疹や手荒れの場合、原因となっていることを止めたり、原因となる物質に触れないようにすることで改善します。
ただし、家事や仕事などは止めることはできず、なかなか治らなかったり、繰り返し手湿疹ができるという方も少なくありません。
やってはいけない・効果がないケア
NG対処法
- 水気がある状態でハンドクリーム等を塗る
- 熱いお湯での水作業
- 必要以上の手洗い
- 水ぶくれができた場合に、自分でつぶす
- ラテックス(※)を使用したゴム手袋を使用する
※ 天然ゴム性の手袋には、ラテックスという成分を含んでいる場合があります。ラテックスは、かぶれやすかったり、アレルギー反応を起こしたりする恐れがあると考えられています。
ゴム手袋を使用する場合は、ニトリルゴムなどラテックスが含まれていないものを使用するのがおすすめです。
手湿疹・手荒れの予防法
予防法
- 水仕事をする際は手袋をする。
- 洗剤や石鹸を低刺激性のものに変更する。
- 保湿剤やハンドクリームなどでこまめな保湿
手湿疹・手荒れの対策
手湿疹を起こす原因には手の乾燥が多いので、手を保湿することで症状の改善が期待できます。
自宅ケアなら、寝る前のトリプルパック(①保湿クリーム + ②綿手袋 + ③ゴム手袋)が特におすすめです
日中は仕事や家事などで手をよく使うため集中ケアするのは難しいですが、夜寝ている間にケアすれば、朝にはしっとり潤いのある手に生まれ変わります。
簡単にできて、一晩で効果があるのでおすすめです。
手湿疹・手荒れの自宅ケアの方法
おすすめのトリプルパックの方法です。
step
1保湿クリームを塗る
まずは寝る前に、保湿クリームを塗ります。

step
2綿の手袋をはめる
綿100%の手袋をはめます。

step
3綿の手袋の上にゴム手袋をはめる
最後に、綿手袋の上からゴム手袋をはめて完了です。あとは寝て朝を待ちます。

ポイント
ゴム手袋は、天然ゴムなどラテックスが素材に含まれているものは避け、ニトリルゴムの素材のものがおすすめです。
ビフォー & アフター
寝る前のトリプルパックの前と後の手湿疹の状態を写真に撮ってみました。
手袋をはめて寝る前はこんな感じでした。

翌朝

結果
翌朝は、綿の手袋が湿っていてとても保湿されていて手はしっとりしていました。ひび割れるほどの手湿疹だったので、1日で完治するには至りませんが、かなり改善していました。睡眠中は手を使うことはほぼなく休ませられるので、その間に集中ケアとしてトリプルパックをすれば、はやく症状を改善することが可能です。日中はハンドクリームを塗り悪化を防ぎ、夜はトリプルパックを繰り返せば、すぐに治るのでとてもおすすめな方法です。
【手湿疹・手荒れ】
こんな時は皮膚科へ相談しましょう
皮膚科へ相談したほうがいい症状
- 症状が悪化し改善しない
- 手湿疹が長期間続いている
- かぶれたり、ただれたりしている
- 水ぶくれが潰れて膿が出ている
軽症の場合は、少しかゆかったり、少し荒れる程度ですぐ治りますが、なかなか治らず悪化し重症化したり手湿疹を繰り返しやすくなったりします。悪化する場合や乾燥以外の原因が疑われる場合は、皮膚科医や薬局に相談しましょう。